Cullinan I(カリナン I)と、すでに有名なダイヤモンドとしてこちらで特集したCullinan II(カリナン II)に加えて、3,106カラット(ct)のCullinan(カリナン)原石からは、IIIからIXまでの石とさらに96個の小さなダイヤモンドが切り出されました。ダイヤモンドカッティング会社のアッシャーは、これらのダイヤモンドをCullinan(カリナン)原石のカットおよび研磨の代金として貰い受けました。南アフリカ政府がそれらのほとんどを購入し、1910年にメアリー女王にそれらのダイヤモンドを贈呈しました。
メアリー女王が受け取ったダイヤモンドの中で最大のものは、94.40カラットのペア シェイプの Cullinan III(カリナンIII)と、63.60カラットのスクエア クッションのCullinan IV(カリナンIV)です。両方合わせた総重量は158カラットになります。Cullinan III (カリナンIII)とIVは、最初は「Lesser Star of Africa(レッサー スター オブ アフリカ)」と呼ばれていましたが、現在は愛着を込めて「Granny's Chips(グラニーズ チップス」と呼ばれています。
1911年、Cullinan III(カリナンIII)とIVは、メアリー女王のためにGarrard & Co.(ガラード社)が製作した王冠に使われました。女王の夫、ジョージ5世の戴冠式のために作成されたその王冠は、ダイヤモンドが取り外し可能なセッティングでマウントされていたため、取り外して他の用途として身に着けることができました。Cullinan III(カリナンIII)とIVは時としてLahore Diamond(ラホール ダイヤモンド)の代わりに、そしてDelhi Durbar(デリー ダーバー)ティアラに戴冠式のペンダントとして使われました。
メアリー女王はこれら2つのダイヤモンドを愛し、しばしばペンダントブローチとして合わせて身に付けていました。女王は、そのダイヤモンド ブローチを結婚式などの親族行事や重要な行事に着用しました。1953年にメアリー女王が亡くなったことで、Cullinan III(カリナンIII)とIV は彼女の孫娘エリザベス女王2世に渡りました。これが、この有名なダイヤモンドが「Granny’s Chip(グラニーズ チップス:おばあちゃまの小さなかけら)」と呼ばれるようになった所以です。
この記事は2014年5月26日に掲載されました。最終更新日:2019年7月19日
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