モルガナイトの婚約指輪がトレンドになっていますが、そこには納得のいく理由があります。モルガナイトは美しく、耐久性がよく、また比較的手に届きやすいピンク色の宝石です。また口コミの恩恵もあります。今回はモルガナイトについて知っておくべきことをご紹介します。この記事の内容は次のとおりです。
モルガナイトが人気の理由は?
モルガナイトはどのような宝石なのか?
モルガナイトの原産地は?
注目すべきモルガナイトの品質
モルガナイトの婚約指輪にダイヤモンドを添える
モルガナイトの婚約指輪セッティングのアイデア
モルガナイトの婚約指輪のお手入れとクリーニング方法
モルガナイトが人気の理由は?
モルガナイトの婚約指輪への関心は、ベン・アフレックがジェニファー・ロペスにプロポーズをする際、6.1カラット(ct)のピンクダイヤモンドを贈った2002年に始まったと考えられています。2013年にアップル社が今ではアイコンとなったピンクゴールドのiPhoneを発表したこと、またパントン社が2015年の今年の色として、“Marsala(マルサラ)”–モルガナイトの美しさを讃える温かみのある赤の色相–を発表したことで、ピンク色の人気は勢いを増して行きました。ファッショントレンドに加えて、ピンクはこれまでも長い間、愛やロマンス、女性らしさや優しさを連想させる色ですので、ピンクの宝石が人々を魅了してやまないのは当然のことです。またピンク色はどんな肌の色でも引き立ててくれます。モルガナイトのお求めやすさは、特にピンクダイヤモンドと比べると、結婚を控えた女性にとって手に届きやすく見えます。モルガナイトの婚約指輪、特にピンクゴールドのセッティングのものが大人気になった理由がよくわかります。
モルガナイトはどのような宝石なのか?
モルガナイトはデリケートなパステルピンクから紫がかったピンク(「ローズ」)、黄色がかったピンク(「ピーチ」)あるいはオレンジがかったピンク(「サーモン」)などの色をしたベリルの変種の一つです。ベリルは鉱物種でエメラルドやアクアマリンなど他の色もあります。モルガナイトの色は微量のマンガンにより生じています。モルガナイトの濃い色相のものは珍しく、通常はかなり大きいサイズでなければ最良の色を出す宝石とはなりません。モルガナイトはモース硬度スケールの7.5から8です。この硬度により、モルガナイトの婚約指輪はダイヤモンドやルビー、サファイアなどの硬度の高い宝石と比べれば耐久性は低いものの、日常的な着用に適しています。豆知識:モルガナイトは、アメリカの資本家 兼 宝石愛好家である、J. P. モルガン (1837–1913)の名誉を称えて命名された。当時ティファニーのカラーストーン専門家で高名な宝石学者だったジョージ・クンツが、マダガスカルで発見された美しいピンクベリルの初期サンプルを検査した後、1910年にその名前を提案しました。
モルガナイトの原産地は?
現在、市場にあるモルガナイトのほとんどは、ブラジルのミナスジェライス州から産したものになります。ミナスジェライス州は宝石の宝庫です。エメラルド、アクアマリン、トルマリン、アレキサンドライト、アメシスト、トパーズその他の宝石の原産地でもあります。アフガニスタン、パキスタン、モザンビーク、ナンビア、米国でもモルガナイトが産出されますが、小規模な産出地で供給は安定していません。現在では大規模な産出地ではありませんが、元々あるマダガスカルの鉱山は今でも最良の基準となる素材を産出しています。
注目すべきモルガナイトの品質
モルガナイトの婚約指輪を購入する際には、次に挙げる要点に留意しながら完璧な一品をお選びください。
- カラー:最も高く評価されるモルガナイトの色は強いピンクで、多くの場合、熱処理の結果生じた色です。未処理の素材で特にブラジル産のものは、サーモンのようなオレンジがかったピンク色をしています。モルガナイトは淡い色を持つことが多く、石のサイズが大きくなるほど色の濃さが増していきます。一般的に、濃い色が求められるため値段も高くなります。
- モルガナイトはほとんどの場合、ピンクの色を改善するために熱処理されます。加熱により黄色またはオレンジの色合いを取り払い、純粋でより魅力的なピンクを残します。処理の検知は難しく、熱処理によって作り出された色は安定しており、400度以上の熱にさらされない限り色褪せることはありません。
- クラリティ:ファセットカットされたモルガナイトは多くの場合、目に見えるインクルージョンを有していませんが、大きなサイズのものには含まれていることが多いです。目に見えるインクルージョンが多数ある石は、通常は彫刻にしたりカボションにカットしたりします。
- 液体インクルージョン(宝石の中にあった空間に閉じ込められた液体)とフラクチャーは目で見ることができる内部特徴の二つです。液体インクルージョンは不規則な形になる傾向があります。フラクチャーは明るく、光った平らな表面のように見えます。ここでもう一度念を押しておきますが、ファセットカットされたモルガナイトには通常、目に見えるインクルージョンはありません。
- カット:モルガナイトの形が美しさに影響を与えることはほとんどありません。モルガナイトの婚約指輪は、ダイヤモンドと同じように、ラウンドブリリアント、エメラルドカット、マーキス、オーバルなどいずれにおいても魅力的です。淡色の素材は、色を濃く見せるためやや厚くカットされることがあります。モルガナイトは、ユニークなファンタジーカットや彫刻用としても人気があります。
- カラット重量:大きなサイズの石があり、しかも手に届きやすい値段であるものの、モルガナイトは一般的なジュエリーにセットできるように規格サイズにカットされることがよくあります。
モルガナイトの婚約指輪にダイヤモンドを添える
美しいモルガナイトを選ぶ際に何に注目すべきかがお分かりになったところで、あなたのリングにちょっとしたドラマを付け加えたいと思われたことでしょう。モルガナイトとダイヤモンドの組み合わせはエレガントです。ダイヤモンドのブリリアンスは、モルガナイトの微妙な色合いとのドラマティックなコントラストを作り出します。ヘイローセッティングやモルガナイトのサイドストーンとして使われるダイヤモンドはどちらも逃すことのできない選択肢です。モルガナイトの婚約指輪に添えるダイヤモンドを選ぶ際に知っておきたいことをご紹介します。
- ダイヤモンドにモルガナイトのピンクが映ることにより、ダイヤモンドはピンクがかった色合いに見えます。
- 黄色がかったダイヤモンドは、モルガナイトの色を柔らかく見せて引き立たせてくれます。
- ダイヤモンドの色が無色に近づくほど、モルガナイトとのコントラストは強くなり、見た目もより大胆になります。
モルガナイトの婚約指輪セッティングのアイデア
モルガナイトは、人気の婚約指輪のセッティングスタイルのいずれにも合わせることができます。ソリティアとしては石自体の風格があります。ヘイロー(小粒のダイヤモンドがセンターストーンを輪のように囲むもの)と併せればゴージャスに映ります。ベゼルセッティング(薄い金属製の帯を宝石の周りに押し付けてあるいは叩いて巻くことにより宝石を所定の位置に固定する宝石のセッティング方法、覆輪留め)では巧みに縁取られ保護されます。モルガナイトの硬度はモース硬度スケールで7.5~8であるため、硬度の高いダイヤモンドなどに比べると欠けや損傷に弱い石です。こういったことから、保護性の高いセッティングをお考えになることでしょう。金属をモルガナイトに巻いて損傷から保護できるベゼルセッティングは大変良い選択です。4本または6本のプロングセッティングもまた一般的ですが、保護性が低くなるため、アクティブな人にとっては最適な選択とは言えません。さまざまな観点から考えると、ベゼルセッティングは最も安全な選択です。
モルガナイトを引き立てる婚約指輪のセッティングをお探しの場合、金属の色とあなたが求める全体的な印象についてご検討ください。ソフトな色合いの場合、ローズゴールドのバンドとプロングはピンクの色相を強めてくれ、イエローゴールドは石の黄色の色彩を引き出します。ホワイトメタルのプロングまたはバンド(あるいは両方)を使用するとモルガナイトとのコントラストで、より大胆なデザインになります。
モルガナイトの婚約指輪のお手入れとクリーニング方法
モルガナイトの婚約指輪には、温かい石鹸水での洗浄が常に安全です。石に液体インクルージョンやフラクチャーがない限り、超音波または蒸気洗浄器でクリーニングすることも通常、安全です。ごくまれに、モルガナイトにフラクチャー充填がなされています。これは、ガラス状の物質をフラクチャー内に注入し、より見えにくくすることによって見た目のクラリティを改善しています。そうした石は、温かい石鹸水でのみ洗浄します。モルガナイトの婚約指輪は、ある特定の洗浄剤にも含まれている一部の酸により損傷をうける可能性があります。モルガナイトはほとんどの日常的な活動でも安全に身につけていただけます。ただし、他のすべての宝石と同様、モルガナイトも損傷をうける可能性がありますので、ガーデニング、掃除、スポーツや活発な活動をする前には指輪を外すことをお勧めします。
婚約指輪のモルガナイトは甘く、ロマンチックでトレンディでもあります。また、目を楽しませてくれる外観は、愛の素晴らしさを呼び起こす魅力的な選択肢ともいえます。
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