正しい購入判断をすることで、ダイヤモンドの婚約指輪を損傷や紛失から守りましょう。そしてダイヤモンドの婚約指輪を生涯新品のような状態に保ってください。ここではあなたの大切な指輪を保護するためのヒントをご紹介します。
1. 購入する前に、ダイヤモンドの耐久性について知る
ダイヤモンドは地球上でもっとも硬い宝石で、モース硬度スケールで10に格付けされますが、それでも損傷が発生することがあります。ダイヤモンドにはブレミッシュとインクルージョンと呼ばれるクラリティ特徴があります。ブレミッシュはダイヤモンドの表面に限定された特徴です。インクルージョンは内部の特徴で、ダイヤモンド内に完全に閉じ込められているか、表面からダイヤモンド内へと入り込んだものになります。通常、耐久性に著しい問題があるダイヤモンドは、カッティングプロセスの摩擦や圧力に耐えられません。しかし、ある特定のインクルージョンのタイプ、特にガードルの付近に発生しているものにより、ダイヤモンドは損傷の影響を受けやすくなります。(ガードルはダイヤモンドの中央部分で、ダイヤモンドのセッティングエッジとして機能する上部(クラウン)と下部(パビリオン)を分ける狭い部分です。)例えば、ダイヤモンドのフェザーや表面に到達する他のインクルージョンに衝撃が正確に加わった場合、欠けが発生する可能性があります。同様に、クラウンからパビリオンに至る深いフェザーや、ダイヤモンドの3分の1以上を貫通している非常に深いフェザーは、耐久性の問題を引き起こす可能性があります。クラリティグレードは、ダイヤモンドのインクルージョンのサイズ、数、位置、特徴そしてレリーフによって決定されます。ダイヤモンドを購入する前に、クラリティ特徴のタイプを考慮する必要があります。
GIAダイヤモンドグレーディングレポートには、ダイヤモンドのクラリティについて重要な情報が記載されています。レポートにはダイヤモンドの色、カット、カラット重量の客観的評価に加え、ダイヤモンドのクラリティ特徴の地図がついたクラリティグレードが含まれています。プロット図と呼ばれる、色分けされた地図は、ダイヤモンドが有するインクルージョンおよびブレミッシュの種類とそれらの正確な位置を示します。
2. 特別なケアが必要なダイヤモンドの形とカットを知る
ダイヤモンドの形やカットの中には、尖った先端や鋭角な隅を持つために他のタイプに比べて脆弱性の高いものがあります。長方形または四角のプリンセスカットがその一例です。この他に、マーキス、ペア、ハート型などもそうです。これらの形のものの購入をお勧めしないということではありません。ダイヤモンドの欠けやすい部分を保護するセッティングであることをしっかり確認してください。極薄ガードル(ナイフエッジと呼ばれることがあります)も、ダイヤモンドの形にかかわらず損傷のリスクが高いものです。ダイヤモンドには劈開があります。これは、ある種の宝石や鉱物がその原子構造のために結晶面に沿って容易に割れたり割れたりする傾向です。ダイヤモンドは原子が緊密に結合している方向にはより強靭ですが、結合がゆるい方向では靭性は劣ります。これはすなわち、ダイヤモンドは劈開面の上あるいはその付近でより損傷をうけやすいことを意味します。
3. 安全なセッティングを選んでダイヤモンドを保護する
婚約指輪に使われるダイヤモンドは、多くの場合プロング(=爪)で台に固定されます。プロングは細い金属のサポート部分で、通常4〜6ヶ所に使われます。ダイヤモンドを保護するという点では、6本のプロングセッティング(爪留め)の方が、4本のプロングセッティングよりも保護性が高くなります。プロングが損傷した場合、6本のプロングを用いたセッティングの方が、ダイヤモンドを所定の位置に留めておける可能性が高いです。プロングを2本追加することで、日常の着用時のガードルの保護を強化することもできます。4本と6本どちらのプロングを用いるかについては長所と短所があります。
十分な保護となるもう一つの選択肢はベゼルセッティング(覆輪留め)です。このセッティングは、薄い金属製の帯を宝石の周りに押し付けてあるいは叩いて巻くことにより、所定の位置に固定するスタイルです。ベゼルセッティングは、センターストーンが落ちてしまうのを防ぐとともに、ガードルをぶつけたり、予期せぬ衝撃などから保護します。部分的ベゼルやV字型プロング(ふくろ爪)も、ダイヤモンドの脆弱な鋭った先や角を保護します。
4. レーザー刻印でダイヤモンドを保護する
GIAによりグレーディングされたダイヤモンドの多くは、ガードル上にグレーディングレポート番号が極小のサイズで刻まれています。このレーザー刻印は、GIAダイヤモンドドシエまたはダイヤモンドフォーカスTMレポートをともなうすべてのダイヤモンドに自動的に適用されます。これは、GIAダイヤモンドレポートのついたダイヤモンドの低価格の追加サービスオプションです。レーザー刻印サービスは、特定のレポートデータとダイヤモンドを結びつけ、識別できるようにするものです。簡易なジュエラー用のルーペで10倍率で見ることができます。刻印されたレポート番号はダイヤモンドのレポートと照合させるか、ダイヤモンドのグレーディングの詳細を含むGIAのオンラインデータベースであるGIA レポートチェックに入力して確認することができます。ダイヤモンドが盗まれた後に見つかった場合、警察がダイヤモンドを識別する際にレーザー刻印が役立ちます。ところで、刻印できるのはレポート番号だけではありません。短いメッセージや特別な日付、あるいはシンボルなどを刻印することもできます。
5. 購入したら、ダイヤモンドを査定して保険を掛ける
婚約指輪は感情面でいえば値段がつけられないほどの価値がありますが、現実的には金銭的価値があります。ですから保険をかけるのは賢い方法です。ほとんどの住宅所有者および借家人向けの保険は、それほど高くないジュエリーの盗難補償を提供しています。保険がダイヤモンドの損傷や紛失も補償しているかを必ず確認してください。書類をよく読んでみてください。
多くの保険会社では、ダイヤモンド婚約指輪の再取得価格を決定するために査定が必要となります。査定はダイヤモンドやその他のジュエリーの評価をすることで、通常は保険や遺産を目的とします。査定では、通常、重要な宝石の正確な測定値と、カラーとクラリティのグレード(ダイヤモンドの場合)、インクルージョンまたはブレミッシュの位置を示すプロット、および特性と製造に関する情報を含めて、査定される物品の詳細な説明を提供します。そして、評価価格を出します。鑑定士協会のリストからお近くの鑑定士を探すことができます。これらの協会の多くは、協会への所属を望む鑑定士に対し、補足的査定研修の受講だけでなく、GIAグラジュエイトジェモロジスト(GG)のディプロマの取得を要件として求めています。さらに協会では、メンバーに対し高い倫理性と専門家としての水準を保持するように求めています。
6. 指輪を外すことでダイヤモンドを保護する
ダイヤモンドの婚約指輪は生涯、日常的に着用するものとされていますが、壊れないということではありません。時間が経つにつれて、プロングが変形したり緩んでくる可能性があります。運動、ガーデニング、衣服への引っかかりや予期せぬ衝撃などはいずれも、大きな損害につながりかねません。婚約指輪をつけたままで食器洗いをすることも望ましくありません。(指輪を排水溝に落としたという話はいくつも聞いたことがあるでしょう?) 寒い気候時の着用もリスクがあります。指が収縮するので指輪が回ってしまうからです。ダイヤモンドを保護するためにお勧めするのは、こういった活動をする前に婚約指輪を外すことです。ダイヤモンドに傷をつけることができるのはダイヤモンドだけだと聞いたことがありませんか?そうですね、ダイヤモンドがあしらわれたジュエリーを、並べて保管したり着用したりすることでも欠けやその他の損傷あるいはひっかき傷の原因となることがあります。これを解決するには、ダイヤモンドやその他のジュエリーを個別にクッション材の貼られた箱や柔らかい袋に入れて保管することです。一つの袋または箱に入れるジュエリーは一つだけにしてください。
7. ダイヤモンドの婚約指輪を定期的な検査で保護する
婚約指輪のプロングは破損の兆候がないかどうか6ヶ月ごとに点検することをお勧めします。そこまで頻繁な点検は難しいと感じられる場合は、毎年の結婚記念日を心覚えとしてプロングの点検をするようにされてはいかがでしょう。多くの保険会社でも、指輪の定期点検を要件としています。要件については、ご契約の保険会社にお問い合わせください。プロングの締めなおしは、ベンチ ジュエラーの日常的な業務です。プロングが緩んでいるかは、石をそっと押した時に動くかどうかでチェックすることができます。(動いた場合は、プロングが緩んでいます。) ダイヤモンドとセッティングの間にできる隙間も警告サインの一つです。指輪を10倍のルーペで見ると、プロングの隙間や損傷箇所が見やすくなります。
8. ダイヤモンドの婚約指輪を清潔に保つ
汚れによってダイヤモンドが割れたり欠たりすることがありませんが、見た目にくすみを生じさせてしまいます。ダイヤモンドのクリーニングは、糸くずの出ない布で拭くか、あるいはぬるま湯と中性洗剤と柔らかい歯ブラシを使用して行えます。粉末状の家庭用研磨洗浄剤やスチームクリーナーは使用しないでください。超音波洗浄器は、未処理のダイヤモンドには通常安全ですが、処理済みのダイヤモンドは超音波洗浄器で破損する可能性があります。ダイヤモンドを市販の宝飾品用洗浄液に短時間つけることもできます。プロの宝石職人に定期的にクリーニングをしてもらうこともお勧めいたします。上記の定期点検のアドバイスに従っていただければ、ダイヤモンドの婚約指輪は生涯そのきらめきを保てるでしょう。これでダイヤモンドを保護する方法がお分かりになったことでしょう。次はダイヤモンドエンゲージリングの一般的な8つの通説を覆すです。
Custom Field: Array