ダイヤモンドの蛍光とは何でしょうか?良いのでしょうか?良くないのでしょうか?蛍光があるからそのダイヤモンドを購入すべき(またはしないべき)でしょうか?ダイヤモンドを購入するお客様が、知識を持って購入判断を下そうと答えを求める際に、このような類の質問がよく見られます。
この記事では、完璧なダイヤモンドを選ぶために役立つ、ダイヤモンドの蛍光に関する最もよく聞かれる質問にお答えします。
1. ダイヤモンドの蛍光とは何でしょうか?
蛍光は、物体が可視光を発するときに見られる輝きです。ダイヤモンドの中には、太陽や蛍光灯のような光源からの紫外線(UV)にさらされると蛍光を示すものがあります。これにより青色の光を発するか、また、珍しいものには黄色またはオレンジ系の光を発するものもあります。紫外線光源が無くなると、ダイヤモンドは蛍光を発しなくなります。
2. すべてのダイヤモンドが蛍光を示しますか?
いいえ。約25%から35%のものが、ある程度の蛍光を示します。
3. ダイヤモンドの蛍光にグレードはありますか?
GIAでは、蛍光はダイヤモンドを識別する際の特徴であると捉えています。蛍光はGIAの4C(カラー、クラリティ、カット、カラット ウエイト)のようなグレーディングの要素ではありません。GIAダイヤモンド グレーディング レポートとダイヤモンド ドシエでは、ダイヤモンドの蛍光をラボで使用しているマスターストーンとの比較による強さ(None(なし)、Faint(フェイント)、Medium(ミディアム)、Strong(ストロング)、Very Strong(ベリース トロング))で表現しています。蛍光がミディアム、ストロング、ベリー ストロングの場合、蛍光の色は記載されます。
詳細は、GIAダイヤモンド グレーディング レポートにおけるダイヤモンドのカラーと蛍光の記載方法をご覧ください。
4. ダイヤモンドの蛍光によりイエロー ダイヤモンドがより白く(=透明に)見えますか?
業界に携わる人の中には、青色の蛍光が特にカラー グレードがIからMのダイヤモンドの外観を高めると考える人もいます。自然光の昼光のような紫外線下では、青色蛍光により、僅かにイエローがかったダイヤモンドがより無色に近く見えることがあります。そのため、ベリーストロング(非常に強い)〜ミディアム(中)の青色蛍光を有する無色からわずかにイエローのダイヤモンドは、蛍光を発しない同様のダイヤモンドよりカラットあたりの価格がわずかに高くなることがあります。
カラー グレードの高いダイヤモンドについては、逆のことが当てはまります。青色の蛍光を伴うD〜Hカラーの範囲のダイヤモンドは、しばしば業界ではあまり望ましくないと考えられます。青色蛍光によりこれらのダイヤモンドはかすんで見えたりオイリーに見える場合があると信じている人がいますが、これは蛍光の強度が非常に強い場合に限ります。しかし、非常に強い青色の蛍光を発するダイヤモンドがすべてオイリーに見えるわけではなく、また、青色の蛍光を持たないダイヤモンドより価格は低くなるかもしれません。
5. 一般の人が、蛍光を発するダイヤモンドと発しないダイヤモンドを見分けることはできますか?
GIAは、青色蛍光がダイヤモンドの外観に及ぼす影響を研究してきました。GIAでは数多くのダイヤモンドをスクリーニングしました。6つのダイヤモンドを4組作成して、それぞれを異なるカラー グレード(E、G、I、K)でグループ化しました。それぞれの組のダイヤモンドは、青色蛍光の強度を除く全ての点で可能な限り類似するようにしました。ダイヤモンドのグレーダー、熟練した専門家、平均的な観察者が、ダイヤモンドを制御された条件で見て、その外観を判断しました。
こちらがGIAの見解です。「ジュエリーを購入する一般の消費者にあたる平均的な観察者には、これらのダイヤモンドのグループのフェイス アップでの外観において青色蛍光による系統だった影響は見受けられなかった。経験を積んだ観察者でも、一つ一つの石を見た場合に蛍光の効果が例外なく同じ意見になることはありませんでした。」
簡単に言うと、青色蛍光は、極度に強い蛍光のまれな例におけるわずかな改善を除いては、無色またはほぼ無色のグレード範囲(グレードD〜J)のダイヤモンドのフェイス アップでの外観にごくわずかな影響しか及ぼさなかったということです。
6. 蛍光のあるダイヤモンドは良い?それとも良くない?
蛍光は、良くも悪くもありません。ダイヤモンドの美しさは見る人の目にあります。蛍光は見えることも、見えないこともあります。また、蛍光を好む人も好まない人もいます。
青色蛍光を持つダイヤモンドをご検討の場合、時間を割いて、自然の昼光を含む様々な種類の照明の下で見て、カラーが同じ他のダイヤモンドと比較しましょう。違いがあるか確認してください。
ダイヤモンドの蛍光はその効果がとても主観的であるため、おそらく活発な意見が交わされることでしょう。意見はさまざまです。次に宝飾店を訪れた際に、蛍光のあるダイヤモンドについて気づくかどうか試してみましょう。そしてそれがあなたに魅力的に映るかどうかを判断してください。結局ご自分で購入したものを愛するべきです。決まったルールはありませんので、心に従って選んでください。
メイン画像著作権: GIAおよびHarold & Erica Van Pelt 提供:Harry Winston, Inc.(ハリー ウィンストン)
Custom Field: Array