アンティークやヴィンテージの婚約指輪が流行しています。それも当然です。否定できない魅力とスタイルがありますし、過去の時代の美しい作品です。永遠に続く愛の象徴です。大切にしたい一品を選ぶためのヒントをご紹介します。この記事の内容は次のとおりです。
アンティークやヴィンテージの婚約指輪の予算を決める
アンティークとヴィンテージの婚約指輪の違いを理解する
アンティークとヴィンテージの婚約指輪の重要なジュエリーの時代について
アンティークやヴィンテージの婚約指輪の代表的なダイヤモンドのカット
アンティークやヴィンテージの婚約指輪を購入するときの課題
アンティークやヴィンテージの婚約指輪をどこで探すか
アンティークやヴィンテージの婚約指輪の予算を決める
アンティークやヴィンテージの婚約指輪の価格は、1000ドル以下から100万ドル以上とピンからキリまであります。言い換えれば、どの予算でも美しいリングが見つかるということです。予算を決めるのは、実用性と愛情のバランスをふまえた個人的な決定です。ご自分の状況に一番合うものをご存知でしょう。
アンティークとヴィンテージの婚約指輪の違いを理解する
アンティークやヴィンテージの婚約指輪の購入に関する詳細に入る前に、知っておくべき用語をご紹介します。
- アンティーク:100年以上前に作られたジュエリー
- ヴィンテージ:コンテンポラリー(現代)のジュエリーではないが、アンティークほど古くない物
- エステート:中古のジュエリーで、アンティーク、ヴィンテージ、あるいはコンテンポラリー(現代)の物
アンティークとヴィンテージの婚約指輪の違いを理解しておくと、探すときに役に立ちます。ヴィクトリア朝などの特定の時代の婚約指輪にご興味がある方は、小売業者が適切な作品を探せるように正しい用語を使うと良いでしょう。これで知識のある顧客とも見てとれます。
アンティークとヴィンテージの婚約指輪の重要なジュエリーの時代について
長い歴史において、特定の時代や文化的な動きがそれぞれ独特のジュエリースタイルを表してきました。アンティークやヴィンテージの指輪を探して、愛のスピリットを最も良く捉えている一品を選ぶのは楽しい挑戦ともいえます。いくつかある重要なジュエリーの時代に作成されたリングについて簡単にご説明します。
- ヴィクトリア朝(1837-1901年):ヴィクトリア女王の長期にわたる統治時代の婚約指輪は、数々のロマンティックなデザインのモチーフが特徴です。アクロスティック(宝石の頭文字を使って単語をつづる)、蛇、花、ハート、その他があります。ヴィクトリア女王統治時代の後半に南アフリカでダイヤモンドが発見され、ダイヤモンドが多く使われるようになりました。ヴィクトリア朝は何十年にもわたるため、この時代のアンティークの婚約指輪に目を奪われ、心を捉えられるかもしれません。
- アールヌーボー(1890年代から1910年代初期):この時代のアンティークの婚約指輪は、しなやかな鞭のようなライン、エナメル、珍しいカラーの宝石により識別できます。ジュエリーデザイナーたちは自然から強く影響を受けました。デザイナーが、孔雀、白鳥、ツバメ、コウモリ、トンボ、蝶を描くことが多く、また女性的な形を使って空想的な作品が作られました。アシンメトリー(作品が左右対称でないもの)や線の無駄のなさ(不必要な要素の排除)がこの時代を特徴づけるデザインです。
- エドワード朝(1890年代-1915年):勝利を表す月桂冠、渦巻き模様、フェザー、タッセル、リボン結び、花輪、プラチナ、ダイヤモンドが、ビクトリア女王の王位継承者、エドワード7世により確立されたファッションを保ちながら、エドワード朝の婚約指輪に堂々とした印象を与えています。マーキスカットのダイヤモンドも流行しました。品のある形は、輪郭がフランス王ルイ15世の愛人、ポンパドゥール公爵夫人(Marquise de Pompadour)の口の形に似ていることから、その名が付けられたと言われています。
- アールデコ(1920年代〜1930年代):この時代の婚約指輪は、対照的な色のダイヤモンドや宝石で命を与えられた幾何学的なパターンや抽象的なデザインを探しましょう。三角形、正方形、長方形その他の幾何学模様が使われ、合理化された時代のモダンスピリットを想起させます。シンプルだけれども大胆なスタイルがお好きな場合は、アールデコのヴィンテージの婚約指輪がお好みに合うでしょう。
- レトロ(1930年代中期〜1950年代):レトロ時代の婚約指輪は、アールデコの幾何学模様の特徴がありますが、カーブを使って柔らかさが出されています。ゴールド、特にローズゴールドの金属が使われていました。ルビー、サファイア、エメラルド、トパーズ、シトリン、グリーンベリル、アクアマリンがセットされたヴィンテージの婚約指輪を見る機会があるでしょう。ダイヤモンドは小さめの傾向があり、ジュエラーはダイヤモンドを大きく見せるために、イリュージョン・セッティングなどの技法を使いました。デザインは、自転車のチェーンや南京錠などの機械的なオブジェクトから着想を得ました。
アンティークやヴィンテージの婚約指輪の代表的なダイヤモンドのカット
アンティークの婚約指輪を探しているならば、オールドマインカットやオールドヨーロピアンカットダイヤモンドという名前を耳にするかもしれません。オールドマインカットダイヤモンドとは、プロポーションにさまざまなバリエーションのあるほぼ四角またはクッション型のブリリアントで、ジョージ王朝(1714〜1837年)からビクトリア朝初期から中期にジュエリーに頻繁に使用されました。ほとんどの現代のラウンドブリリアントカットダイヤモンドのように58個のファセットがありますが、通常はテーブルが小さめで、キューレットが大きく、またクラウンが高くなっています。また短いロワーハーフファセットと、所々とても薄いガードルがあり、独特な姿をしています。
1800年代後半にダイヤモンドカッティング技術が進歩し、現在のラウンドブリリアントカットのようにガードルをラウンドに仕立てることが可能になると、オールドヨーロピアンカットが出現しましたが、クラウンは高く、テーブルがとても小さく、また全体の深さが大きいものでした。これはヴィクトリア朝後期やエドワード朝、アールデコ時代のジュエリーに代表的に見られます。
アンティークやヴィンテージの婚約指輪を購入するときの課題
アンティークやヴィンテージの婚約指輪は、花嫁になる方への独特の選択となり得ますが、購入する前に知っておくべき課題があります。
- 合成宝石と類似石:
アンティークやヴィンテージの婚約指輪を購入する際、合成宝石や類似石がセットされたものを見つけることも珍しくありません。合成ルビーは1800年代後半から出回っており、合成ルビーと合成サファイアにより価格的にジュエリーに手が届きやすくなったので、どちらも1900年代初期から中期に非常に人気がありました。アールデコの時代は特に、小さなカリブルカットの合成ルビーや合成サファイアが、婚約指輪やその他のジュエリーでダイヤモンドのアクセントとして頻繁に使用されていました。20世紀半ばまでには合成エメラルド、さらに1970年代までには特に合成のアレキサンドライト、オパール、トルコ石、シトリン、アメシストも手に入るようになりました。ガーネットとガラスのダブレットのようなさまざまな色の類似石(赤だけでなく、ブルー、グリーン、またカラーレスまでも)やその他の模造石が天然石の替わりに一般的に使用されました。合成石や類似石が、天然石あるいは天然ダイヤモンドに紛れがていることがよくありました。長年の間に、アンティークやヴィンテージのジュエリーに使われていた高級な宝石は外され、それほど高価ではない模造石に置き換えられたものもあります。結論:リングが古いからといって石が天然であると思い込まないようにしましょう。 - すり減っているプロングとシャンク:
時間と共に、アンティークやヴィンテージの婚約指輪のプロングは長年の着用により弱まることがあります。プロングが薄かったりすり減っていると、石を安全に保てないので紛失する恐れがあります。プロングの付け替えには、石を外して留め直す作業が必要なため、どのような場合もある程度のリスクを伴います。同様に、シャンクの裏側が薄過ぎたりするリングもあり、シャンクの4分の1あるいは半分を新しく交換する必要があるかもしれません。 - サイズ調整の問題:
アンティークやヴィンテージの婚約指輪のサイズ変更は、特に、かなり大きくあるいは小さくする場合、非常に難しいことがあります。購入前に、リングサイズの決め方をジュエラーに相談しましょう。 - 返品ポリシー:
購入した婚約指輪を持ち帰ったら、期待に合わなかった(あるいは花嫁になる方の期待に合わなかった)場合はどうしたら良いでしょうか。私たちからご提案できるのは、小売業者に寛容で公正な返品ポリシーがあるか確認することです。少なくとも、7日間の商品返品期間を主張すべきです。
アンティークやヴィンテージの婚約指輪をどこで探すか
アンティークとヴィンテージの婚約指輪を専門にしているウェブサイトは数多くあります。オンラインの小売業者が信用できるか判断したい場合は、その業者がどのくらい長く営業しているか、またBetter Business Bureau(商業改善協会)で良い評価を得ているか調べてみましょう。質問に答えてもらうとき、また知識のあるプロかどうか見るときも、小売業者と直接話をするようにしましょう。GIAグレーディングレポートが付属されているダイヤモンドのついたアイテムを購入することも賢明な方法です。エステートジュエリーを販売しているオークションカタログやウェブサイトも、購入場所の選択肢になります。加えて、GIA小売業者検索でも、GIAがグレーディングしたダイヤモンドを扱っている小売業者の検索が可能です。アンティークやヴィンテージの婚約指輪を扱っているところもあるので、ここから始めるのも良いかもしれません。
完璧なアンティークまたはヴィンテージの婚約指輪が見つかったら、経験豊かなジュエラーや独立のジュエリー鑑定士から公平な査定を受けることを検討しましょう。査定により、状態や、歴史的な時代検証、推定価値など、作品の完全な説明が提供されるはずです。
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