ビクトリア朝様式の婚約指輪は、ロマンチックな過去をほうふつとさせます。
花、ハート、そしてアクロスティック(折り句)のメッセージは、愛のシンボルとして使えるモチーフのほんの数例です。 この魅惑的な婚約指輪のスタイルについてさらに詳しく学びましょう。
ビクトリア朝時代は、1837年6月20日から1910年5月1日に亡くなるまで約64年間にわたり大英帝国を統治したビクトリア女王(1819~1901)にちなんで名づけられました。 数十年もの間、人々に愛されたこの君主の趣味は芸術、様式、習慣に影響を与えました。 女王が結婚式の日に身に着けた香り高いオレンジの花のリースは、当時、英国の花嫁の間で大流行しました。 彼女が身に着けたジュエリーは新聞で取り上げられ、彼方此方でコピーされました。
ビクトリア女王とアルバート公子の結婚は21年間しか続きませんでした。 二人を称賛する国民は二人の愛を称え、崇拝しました。 1861年にアルバートが腸チフスで亡くなると、ビクトリア女王は生涯喪に服し、ビクトリア女王のアルバートへの愛は伝説となりました。
ビクトリア女王のジュエリーコレクションには、元首としてのビクトリアが求めた「蛇の英知」を象徴するとして身に着けていた蛇のブレスレットや、セットし直された王冠の貴重な宝石、アルバート公子の髪の房が付いたハート型のロケット(アルバートの死後着用)、サファイアとダイヤモンドのダイアデムなどがあります。 特に大切にしていたのがアルバートがビクトリアに贈った宝石の数々で、その多くが彼のデザインによるものでした。 アルバートからの結婚祝いはサファイアとダイヤモンドのブローチで、ビクトリアは結婚式の肖像画でそれを誇らしく身に着けています。 その後長年にわたり、結婚式でビクトリアが身に着けた花のティアラにちなみ、アルバートはオレンジの花をテーマにした作品をいくつか贈っています。
アルバートの死後ビクトリアが身に着けた哀悼のためのジュエリーは、イギリス中で流行しました。 哀悼のジュエリーに使われた黒のエナメル、ジェット、オニキスに加え、ダイヤモンドはビクトリア女王の生涯で依然として重要な位置を占めました。 未亡人となったビクトリアは黒のシルクとダイヤモンドを身に着けていました。
その長い治世に、多くの革新的な発明が社会の在りようを変えました。麻酔、電報、電話、自動車、自転車、電球、鉄道などです。 他の時代と比較しても平和と繁栄を享受したこの時代に中産階級に属する者が増え、ジュエリーを所有することもできました。 1860年代後半には南アフリカで大量のダイヤモンドが発見され、かつては貴族のみが保有していたこの宝石が、多くの人々にとって手の届くものとなりました。
ビクトリア女王が60年余りも統治したこの時代のジュエリーは、スタイルも非常に豊富です。 あなた独自のユニークなビクトリア朝様式の婚約指輪に、次のようないくつかのモチーフを使用できます。
ビクトリア朝様式の婚約指輪:秘められたメッセージ
ビクトリア朝時代の人々は、宝石の最初の文字で単語を綴るアクロスティックのジュエリーを大変好みました。 例えば、「Regards(敬意)」という語は、ruby(ルビー)、emerald(エメラルド)、garnet(ガーネット)、amethyst(アメシスト)、ruby(ルビー)およびdiamond(ダイヤモンド)を使用して綴られています。 Regard(敬意)、Adore(敬愛)、Dear(たいせつな人)、Dearest(愛しい人)などは、誕生日のメッセージと並んで、アクロスティックに使われる人気の高い言葉です。 アクロスティックジュエリーは、最愛の人だけが知ることのできるプライベートなメッセージを送るためのものです。 パーソナルなデザインのビクトリア朝様式の婚約指輪または結婚指輪に最適です。
ビクトリア朝様式の婚約指輪:愛と蛇(サーペント)
蛇は千年紀の象徴として使用されています。 現代では蛇は多くの人にとって否定的なものを連想させますが、ビクトリア朝時代には愛や永遠、英知を表すものでした。 蛇のモチーフをビクトリア朝様式のオーダーメイドの婚約指輪または結婚指輪に取り入れることは、流行の先端を行く、目を引く選択肢となるでしょう。
ビクトリア朝様式の婚約指輪:花がもつパワー
ビクトリア朝時代の人々は園芸を愛し、温室を建ててエキゾチックな植物を育て、園芸に関連した書籍を熱心に読みました。 人々は花にはそれぞれ固有の意味があると考えていました: チューリップは情熱を意味し、ブルーベルは思いやりを表します。ギンバイカは幸運と結婚における愛、赤いバラは愛の象徴で、紫のスミレは「愛しさでいっぱいの気持ち」を伝えます。 そのため、花を贈ることで口では言えない感情を伝えることがよくありました。 こうした花々の意味を知ることで、あなたの気持ちを表すのにぴったりの花または花束をビクトリア朝様式の婚約指輪に加えることができます。
ビクトリア朝様式の婚約指輪:永遠のダイヤモンド
19世紀の後半までに、南アフリカでのダイヤモンドの発見により、ダイヤモンドの婚約指輪を持つという夢は、拡大する中産階級にとって手に届くものとなりました。 かつては非常に希少な宝石でしたが、幅広い人々の需要を満たすのに十分な量の石が採鉱されるようになったのです。
オールドマインカットは、プロポーションの比率にかなり幅のある初期のクッションシェイプのブリリアントカットで、ビクトリア朝時代初期及び中期にはジュエリーに頻繁に使われていました。 通常のラウンドブリリアントカットと比べると、ファセットは同じく58面ですが、テーブルは概してより小さめで、キューレットは大きく、クラウンは高くなっています。 他の特徴としては、ロワーハーフファセットが短いこと、ガードルが所々非常に細くなっていることなどがあります。 そのため、オールドマインカットのダイヤモンドは非常に特徴的な外観をしています。 1800年代後半にダイヤモンドのカット技術が進歩を遂げたことにより、カット職人はガードルを丸くすることができるようになりました。 これにより、現在のラウンドブリリアントカットの前身であるオールドヨーロピアンカットが生まれ、ビクトリア朝時代後期に人気を博しました。
数世紀にわたり、シンプルなゴールドのバンドリングは婚約指輪として一般的な選択肢でしたが、 中世までに、宝石をセットした婚約指輪が流行するようになりました。 1477年にオーストリアのマクシミリアン大公がマリー・ド・ブルゴーニュに贈ったダイヤモンドの婚約指輪が、記録に残されている最古のもののうちの一つです。 人気が高まりつつあったファセットカットされたタイヤモンドに光をより多く取り入れ、それにより輝きときらめきが増すティファニーセッティング(6本爪のセッティング)は、1886年に取り入れられました。 一粒ダイヤモンドは婚約指輪の選択肢としては依然として非常に人気が高く、オールドマインカット(または同様のカット)のダイヤモンドを使用すれば指輪にビクトリア朝の印象が加わります。
ビクトリア朝様式の婚約指輪:恋人への愛情
ハートの形は長い間愛の象徴とされており、特にセンチメンタルなものに弱いビクトリア朝時代の人々を魅了しました。 昔も今も、このモチーフは愛情表現の手段として人気があります。 ハートシェイプのダイヤモンド (または他の宝石でも)は、ビクトリア朝様式の婚約指輪で流行を手に入れる簡単な方法です。 2つのペアシェイプの石が合わさってできた1つのハートは、同じメッセージを気の利いた方法で伝えます。
ビクトリア朝様式の婚約指輪:クロスオーバーリング
クロスオーバーリングは指を包み込み、バンドの両端が互いを通り過ぎるようになっています。 1890年代に好まれたスタイルで、今でも高い人気があります。 これはまた、トワ エ モワ (フランス語で「あなたとわたし」)リングとも呼ばれています。 2つの石は二人の人生が結ばれる様子を象徴していると言われます。 そうしたロマンチックなイメージは、ビクトリア朝様式の婚約指輪には素敵なデザインの選択肢となるでしょう。
カスタム婚約指輪のデザインに使用できる、ビクトリア朝様式の素晴らしいモチーフには事欠きません。 スケッチを始める前に少し時間を割いて、ダイヤモンドの品質の4C(カラー, クラリティ(透明度)、カット、カラット重量)について学びましょう。 こうしたことを知っておくと、美しいビクトリア朝様式の婚約指輪にぴったりのダイヤモンドを選ぶことができます。
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